「幸せを掴んだ元シングルマザー」
今回は、フードパントリーとこども食堂を利用されている川島 裕香さん(仮名・40代)にお話をお聞きしました。
川島さんは現在5歳の娘を育てる元シングルマザー。昨年ステキなご縁があり、今は3人家族で暮らしています。
自分以外に子どもを見ていてくれる人がいない。
不安に押しつぶされそうな日々...
— — : 離婚された経緯について教えていただけますか?
川島さん:元夫には浪費癖があって生活がいつも苦しかったですし、過干渉な姑との関係も大変でした。このままでは私も娘も幸せになれないという最悪な未来しか想像することができず、ついに離婚する決断をしました。
— — : 離婚されてシングルマザーになってからの生活では、どのようなことが大変でしたか?
川島さん:私の父母はすでに他界しているので、頼ることのできる人がいなくて、本当に孤独なシングルマザーでした。
行政の子育て相談やひとり親の相談窓口に頼ったりしましたが、行政だと「今」って思う時に相談できなかったり……保育園の先生に相談しながら手探りで子育てをしていましたが、行き詰ってしまった時や帰宅後に頼れる人がいないというのが、結構つらかったですね。
「これ、大丈夫かな……」ということも多々あって、でも子どもはどんどん成長していくし、自分もそれについてくことができているのかもわからないですし。子どもが安定して、ちゃんと育つだろうか、という心配も常にあって、自分以外に子どもを見てくれる人がいないという不安がかなり大きかったです。
「もし自分がいなくなった時、どうなっちゃうんだろう?とにかく自分の健康は守らないと!」「生活設計や娘の教育資金はどう捻出すれば良いのだろう?」「仕事はこのままで良いのだろうか?」そんな不安にいつも追われていて、資格を取ったり講座を受けたりと、シングルマザーをしながら将来を何とか切り拓こうと必死な毎日でした。
「私も幸せになるんだ!」そう思わせてくれたFP
— — : フードパントリー(FP)との出会いと、FPを利用して良かったことを教えてもらえますか?
川島さん:実は産後うつを経験した時に子育て広場に行っていて、その時の友人からFPを教えてもらいました。何箇所かのFPを利用していたのですが、そのうちの一つの担当者の方が元シングルマザーの女性で、ただ食材を受け渡すだけではなく、行く度に話しかけてくれたのです。「また話しに来てね!」って声をかけてくれるから、気軽に行きやすくて、心まで救われました。「やっぱり気持ちが外に向いている人に会うと元気が出るなぁ。この人みたいに私も幸せになるんだ!」と、心から思いました。
これまでは生活が苦しくて外食なんて全くできなかったのに、食費が助かったおかげで娘にも外食の体験をさせてあげることもできるようになりました。娘との楽しみもひとつ増え、FPを利用して本当に良かったです。そして何より、ぬくぬくに出会うきっかけを作ってくれたのもFPでした。
— — : FPから『ぬくぬく』に出会われたのですか?
川島さん:そうなんです。中川副理事長がFPに来ていた私たちに「FPの後にぬくぬくに来てみない?」と誘ってくださって、FPから直接ぬくぬくに向かいました。
『ぬくぬく』の近所に引っ越したいぐらい(笑)子育てが楽しくなる場所
— — : 『ぬくぬく』の第一印象はいかがでしたか?
川島さん:第一印象は「こんな良いところがあるんだなぁ」でした。
— — : そんな風に言っていただけると、とても嬉しくてちょっと照れてしまいますが(笑)『ぬくぬく』のどんなところが良かったですか?
川島さん:まず、ひとりっ子の娘にとって、色々な年齢の子どもたちと関われることがすばらしいです。お兄ちゃんやお姉ちゃん、弟や妹ができたような感覚です。年下の子に対してお世話ができるようになったり、誰とでも話すことで社交的になったり、コミュニケーション能力が上がりました。心の成長も著しいです。また、今までは人見知りや場所見知りがあったのですが、初めての環境でも自分から積極的に行くことができるようになりました。家以外に『ぬくぬく』という逃げ場ができたこともプラスだと思います。
もちろん、『ぬくぬく』の良さは娘にとってだけのものではありません。私にとっても良いことばかりなのです。『ぬくぬく』にはいろいろなお母さんが来ていて、みんな一生懸命に子育てをしています。多くのお母さんと子育ての悩みを共有することで、視野が広がりました。自分の子育てが100%正解ではないので、1人で育てるよりも価値観も広がります。
行政では、完全に受け身だったものが、『ぬくぬく』ではお互いに持ちつ持たれつの関係なので、一方通行にはなりません。私にって『ぬくぬく』は頼れる場所であり、子育てを楽しくしてくれる場所なのです。いつも『ぬくぬく』に行きたいから、『ぬくぬく』の近所に引っ越したいという野望もあるんですよ(笑)。
『ぬくぬく』と娘が再婚のキューピッドに
— — : 引っ越しお待ちしています(笑)。そして、『ぬくぬく』がきっかけで、今のご主人とも出会われたのですよね?
川島さん:そうなんです。『ぬくぬく』の及川理事長に「結婚して幸せになった人もいるよ」と、結婚相談所を紹介されたんです。資格取得に忙しい時期だったので、しばらくして落ち着いた頃に結婚相談所に登録。そして、今の主人と出会いました。娘が主人に懐いて、結局娘がキューピッドになって結婚の後押しをしてくれました。1回目の結婚がダメだったからと言って、次もダメということはないということを、声を大にして言いたいですね。
大人が幸せなら子どもも幸せになる
助けてもらった恩返しがしたい
— — : 川島さんがこれからやってみたいことはありますか? 娘さんには将来どうなって欲しいですか?
川島さん:今まで産後うつや離婚、シングルマザー、再婚、子育てなど、私が経験してきたことを活かして、みんなが元気になるお手伝いをしたいです。孤独なママや年配の方、「育児頑張ろう!」と思っているママ、再婚に迷っている方、これまで私が助けてもらった分恩返ししたいという思いが強いです。少しでも手助けになりたいですね。「大人が幸せなら子どもも幸せになる」ということも伝えたいです。
そして、娘には色々な人と関わって助け合える、優しいけれどしっかり芯のある人になって欲しいです。
自立して仕事を持って、優しい伴侶を見つけて幸せな毎日を過ごしてくれたらこんなに嬉しいことはないですね。
— — : 貴重なお話をありがとうございました。今後とも『ぬくぬく』をよろしくお願いします!